和歌山県は、四季折々の美しい風景を楽しめる紅葉の名所が数多く存在します。秋になると、どこに紅葉狩りに行こうかと迷っている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、和歌山県内の紅葉スポット10選を詳しく紹介します。それぞれの名所で楽しめる紅葉の見どころやアクセス情報について解説します。
- この記事で紹介するスポット
高野山【高野町】
高野山(こうやさん)は、平安時代初期に弘法大師・空海によって開かれた真言密教の聖地です。
標高約800mの山上盆地に広がり、和歌山県内でも高い場所に広がるまたです。周囲は1,000m級の山々に囲まれています。
高野山には117の寺院があり、特に金剛峯寺が総本山として知られています。2004年にはユネスコの世界文化遺産に登録され、観光地としても人気です。
四季折々の情景もきれいですが、秋の紅葉の季節はもっとも人気の季節。高野山に広がる紅葉の風景が楽しめます。
特に人気の施設は挙げていきましょう。
金剛峯寺(こんごうぶじ)
高野山には多くの寺院・宿坊があり、それぞれの境内で色鮮やかな紅葉を観賞できます。
特に高野山の中心である金剛峯寺では、大門周辺や境内の庭園では色鮮やかな紅葉と歴史ある建造物のコントラストが見事な景色を作り出します。
壇上伽藍(だんじょうがらん)
壇上伽藍には金堂、根本大塔、西塔などの歴史的建造物が配置されており、これらの建物と紅葉が織りなす景色は絶景です。
空海が曼荼羅の世界を表現するように建てられた壇上伽藍は、秋になると周囲の木々が色づき、荘厳な雰囲気に包まれます。
蛇腹路(じゃばらみち)
金剛峯寺から壇上伽藍に通じるこの道は、最も人気のある紅葉スポットの一つです。道の両側に植った木々によって紅葉のトンネルが作られ、美しい情景が楽しめます。
昼は太陽の光を浴びて輝き、夜はライトアップされて幻想的な雰囲気を楽しめます。
奥之院(おくのいん)
奥の院は高野山の最も重要な霊場の一つで、弘法大師(空海)の御廟がある聖地です。参道沿いには約20万基の墓碑や供養塔が立ち並び、多くの歴史上の人物や企業の墓碑を見ることができます。
奥の院では紅葉シーズンにライトアップイベントが行われることがあり、夜間に訪れると昼間とは異なる幻想的な雰囲気を楽しむことができます。
このライトアップされた紅葉と歴史的な建造物や墓所の組み合わせがより一層引き立てます。
- 紅葉の見頃
-
10月下旬〜11月
- 紅葉する木の種類
-
かえで、もみじ、イチョウ、こなら、クリ等
- アクセス
-
- 電車
-
「難波駅」 or 「新今宮駅」
↓(南海高野線)
「橋本駅」(乗り換え or 通過)
↓(南海高野線)
「極楽橋駅」
↓(高野山ケーブルカー)
「高野山駅」
↓(高野りんかんバス)
高野山内各所 - 車
-
かつらぎ西IC or 紀北かつらぎIC
↓(国道24号線)
笠田駅前交差点
↓(国道480号線)
高野山かつらぎ西ICから約40分
(混雑ない場合)
高野山観光については次の記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。
和歌山城 西の丸庭園(別名:紅葉渓庭園)【和歌山市】
和歌山城西の丸庭園、通称紅葉渓庭園(もみじだに庭園)は、和歌山市内の紅葉の名所として知られています。
この庭園は紀州徳川家の初代藩主、徳川頼宣によって築かれた江戸初期の大名庭園で、池泉回遊式の庭園様式を採用しています。
紅葉の見頃は例年11月下旬から12月上旬頃です。庭園内には内堀を大きな池に見立てた設計や、虎伏山の起伏を巧みに取り入れた景観が特徴的です。
庭園の中心的な見どころとして、堀の中に浮かぶ「鳶魚閣」という釣殿があり、紅葉との組み合わせが美しい景色を作り出します。また、紅葉渓橋や土橋、石橋など風情ある橋も点在し、滝の音と相まって趣深い雰囲気を醸し出しています。
西の丸庭園は、紅葉の季節だけでなく、四季折々に美しい景色を楽しむことができる庭園です。昭和60年に国の名勝に指定されています。
- 紅葉の見頃
-
11月下旬〜12月上旬
- 紅葉する木
-
トウカエデ、イロハモミジ
- アクセス
-
JR和歌山駅・南海和歌山市駅から和歌山バス「市役所前」下車すぐ
根来寺【岩出市】
根来寺は和歌山県岩出市に位置する新義真言宗の総本山で、正式名称は一乗山大伝法院根来寺です。1130年(大治5年)に覚鑁(興教大師)によって創建され、本尊は大日如来・金剛薩埵・尊勝仏頂の三尊です。
根来寺は歴史的遺産が豊富で、国宝の大塔を有しています。また、文化財としては和歌山県指定有形文化財の根来寺能面や木造弘法大師坐像、岩出市指定天然記念物のしだれ桜などがあります。
寺院は大塔エリア・光明殿エリア(有料)と大門エリア・不動堂エリア(無料)に分かれています。入山料は大人500円です。
例年、紅葉は11月下旬から12月上旬が最も美しい時期です。ライトアップなどはありません。
見どころとして、次の場所が挙げられます。
- もみじ谷::境内を流れる大谷川沿いに整備された遊歩道で、色づいたモミジやカエデが楽しめます。
- 国宝大塔: 1547年に建立された木造の大塔と紅葉のコントラストが美しい景観を作り出します。
- 紅葉の見頃
-
11月下旬〜12月上旬
- 紅葉する木
-
カエデ、モミジ
- アクセス
-
- 路線バス
-
- JR和泉砂川駅→和歌山バスJR岩出駅前行きで16分「根来寺」停留所下車すぐ
- 搭乘開往小川站、近畿大學方向的和歌山巴士,在根呂站下車,步行約20分鐘。
- 自家用車
-
阪和道泉南ICから府道63号、県道63号経由10km15分。または京奈和道岩出根来ICから1.5km3分
丹生都比売神社【かつらぎ町】
丹生都比売神社は高野山との関係が深く、空海(弘法大師)が金剛峯寺を建立する際に神領を寄進したと伝えられています。
そのため、古くから高野山参詣の重要な立ち寄り地点となっており、参拝者は高野山に向かう前にまず丹生都比売神社を訪れる習わしがありました。
神社の境内は標高450メートルの盆地にあり、平地と比べると紅葉の見頃は少し早め。見頃迎えると多くの参拝者が訪れます。
特に見どころなのは、境内にある朱色の太鼓橋です。この橋は、朱塗りの橋と紅葉、そして緑とが美しく調和し、写真撮影にもピッタリです。
また、国の重要文化財に指定されている本殿と楼門周辺も紅葉が美しく、歴史的な建造物と紅葉のコントラストが楽しめます
丹生都比売神社のある天野地区は山の中ですが、高級旅館「天の里」や、飲食店も点在しています。
- 紅葉の見頃
-
11月中旬〜下旬
- 紅葉する木
-
カエデ、もみじ
- アクセス
-
- 公共交通機関
-
JR和歌山線「笠田駅」からかつらぎ町コミュニティバス「丹生都比売神社前」下車
もしくはタクシー利用 - 自家用車
-
かつらぎ西IC or 紀北かつらぎIC
↓(国道24号線)
笠田駅前交差点
↓(国道480号線)
高野山かつらぎ西ICから約20分
高野龍神スカイライン【高野町〜田辺市】
高野龍神スカイラインは、和歌山県内でも屈指のドライブコースです。このスカイラインは高野町から田辺市龍神村まで約42.7キロにわたる山岳道路で標高800メートルから1300メートルに及ぶワインディングロードです。もともとは有料道路でしたが、2003年から無料開放されました。
秋には道路沿いの木々が紅葉し、美しい景色を楽しむことができます。紅葉の見頃は10月下旬から11月上旬です。特に護摩壇山周辺の紅葉は見事で、朝霧がかかる時間帯や夕暮れ時の景色は幻想的です
スカイラインの途中にある道の駅「ごまさんスカイタワー」は、スカイラインの中間地点に位置する見晴らしの良い展望台です。ここでは高さ33メートルのスカイタワー展望塔から、和歌山と奈良の山脈を360度パノラマで楽しむことができます。
スカイラインの終点である龍神温泉は古くからの湯治場として有名で、紅葉を楽しんだ後に温泉でのひとときは格別です。スカイライン沿いには高野山や熊野古道といった歴史的な名所もあり、紅葉観賞と合わせて訪れることで、さらに充実した旅を楽しむことができきるでしょう。
- 紅葉の見頃
-
10月下旬〜11月下旬
- 紅葉する木
-
ブナ、ミズナラ、モミジ、サワグルミ、ツツジなど
- アクセス
-
- 京奈和自動車道「橋本東IC」から約60分
- 交通規制
-
冬季(12月中旬〜3月下旬)交通規制あり
- 昼間(7:00~17:00)冬用タイヤ着用及びチェーン携行
- 夜間(17:00~翌日7:00)全面通行止め
- 二輪車は終日通行止め
奇絶峡【田辺市】
奇絶峡(きぜつきょう)は、田辺市の左会津川の上流に位置する自然渓谷です。渓谷には、大小さまざまな奇岩や巨石が点在しており、四季折々の美しい風景を楽しむことができます。
紅葉の見頃は11月上旬から中旬で、川沿いの木々が一斉に色づき、透明度の高い川の水面に映り込む紅葉が楽しめます。また、奇絶峡にはいくつかのハイキングコースが整備されており、自然の中を歩きながら紅葉を楽しむことができます。
特に「不動の滝」周辺は紅葉が集中しており、滝の音を聞きながら色とりどりの紅葉を眺めることができます。
奇絶峡の特徴的な景観には、一枚岩に刻まれた「磨崖三尊大石仏」も含まれています。この石仏は、渓谷に入る前に道路沿いから見上げると、その壮大さを感じることができます。緑と紅葉のコントラストが美しく、訪れる人々に深い印象を残します。
- 紅葉の見頃
-
11月上旬〜下旬
- 紅葉する木
-
モミジ、イチョウ等
- アクセス
-
- バス
-
JR紀伊田辺駅から龍神バス(龍神線)で約20分、『奇絶峡』下車すぐ
- 自家用車
-
南紀田辺ICから車で約15分
南紀田辺IC → 国道42号から一般道へ(龍神方面)降りる → 秋津ランプで県道29号へ(龍神方面)→ 奇絶峡
宝泉寺(福定の大銀杏)【田辺市中辺路町】
宝泉寺は、田辺市中辺路町に位置する歴史ある寺院で、その境内に立つ大銀杏の木が特に有名です。この大銀杏は推定樹齢400年で、高さ22メートル、幹の周囲は5.3メートルにも及びます。秋になるとこの大銀杏は黄金色に輝き、訪れる人々を魅了します。
紅葉の見頃は11月中旬から下旬で、この時期には境内全体が黄金色に包まれます。銀杏の葉が地面に落ちると、まるで黄金の絨毯のようになり、その壮麗さに誰もが目を奪われます。また、夜間にはライトアップも行われます。
宝泉寺の境内には他にもモミジやカエデの木があり、紅葉の季節には色とりどりの葉が美しい風景を作り出します。寺院自体も静かな雰囲気で、紅葉を楽しむには最適な場所です。特に朝早くや夕方の時間帯には人も少なくなり、心が落ち着くひとときを過ごすことができます。
- 紅葉の見頃
-
11月中旬〜下旬
- 紅葉する木
-
イチョウ、カエデ等
- アクセス
-
- バス
-
JRきのくに線紀伊田辺駅から龍神バスまたは明光バス「福定」下車すぐ
- 自家用車
-
紀勢自動車道「上富田IC」から国道311号線を約35分
救馬渓観音【上富田町】
救馬渓観音(すくまだにかんのん)は、上富田町に位置する静かな寺院で、紀南地方最古の開運・厄除けの霊場として知られています。
紅葉の見頃は11月下旬から12月上旬で、この時期になると境内全体が赤や黄色に彩られます。特に本堂までの参道には約500本のカエデが植えられています。観音堂から見下ろす景色も絶景で、紅葉に包まれた山々感動的です。
救馬渓観音の境内には静かな散策路が整備されており、紅葉を楽しみながらゆっくりと歩くことができます。特に朝の早い時間帯には、清々しい空気の中で紅葉を独り占めすることができ、心が落ち着くひとときを過ごせます。また、寺院周辺の自然豊かな景観も魅力で、訪れる人々は静かな環境の中で秋の風情を堪能できます。
救馬渓観音へのアクセスは車がなければ少し不便ですが、駐車場も完備されており、500台収容可能な無料駐車場が利用できます。
- 紅葉の見頃
-
11月下旬〜12月上旬
- 紅葉する木
-
モミジ、カエデ
- アクセス
-
- 公共交通機関
-
JRきのくに線「朝来駅」からタクシーで約5分
- 自家用車
-
紀勢自動車道「上富田IC」より約10分
古座川峡(古座川の一枚岩)【古座川町】
古座川峡は、古座川町に位置する美しい峡谷で、特に「古座川の一枚岩」が有名です。この一枚岩は高さ約100メートル、幅約500メートルを誇る巨大な岩で、その壮大なスケールは訪れる人々を圧倒します。
紅葉の見頃は11月中旬で、この時期には多くの観光客が訪れます。
古座川峡では、カヌーやボートで川を下りながら紅葉を楽しむことができます。透明な水面に映る紅葉と一枚岩のコントラストは圧巻で、自然の中でリフレッシュを求める人々に人気のスポットです。また、川沿いにはいくつかのハイキングコースも整備されており、歩きながら紅葉を楽しむこともできます。
古座川峡の周辺には、地元の特産品を楽しめる食事処や土産物店が点在しており、観光の合間に立ち寄るのもおすすめです。例えば、道の駅「一枚岩monolith」では地元の食材を使ったランチやカフェメニューが楽しめるほか、おみやげも購入できます。
- 紅葉の見頃
-
11月下旬〜12月上旬
- 紅葉する木
-
モミジ、カエデ
- アクセス
-
紀勢自動車道「すさみ南IC」より国道42号線で串本町を経由し古座川町へ
JRきのくに線「古座駅」から車で約20分
熊野那智大社(那智の滝)【那智勝浦町】
熊野那智大社は、熊野古道の重要な拠点であり、那智の滝と共に紅葉の名所としても知られています。紅葉の見頃は11月上旬から下旬で、この時期には神社周辺と那智の滝が美しい紅葉に包まれます。
熊野那智大社は荘厳な雰囲気を持つ神社で、熊野本宮大社、熊野速玉大社やその参道である熊野古道と共に、世界遺産として登録されています。
毎年11月14日には熊野那智大社で「紅葉祭」が開催されます。この祭りでは、自然の恵みに感謝し、平安時代の衣装をまとった巫女たちが笛や太鼓の音色に合わせて優雅な舞を披露します。また、紅葉の幣を神前に供える儀式も行われます。
熊野古道を歩きながら紅葉を楽しむこともできます。古道沿いには歴史的な遺跡や風情ある道標が点在しており、紅葉と共に歴史探訪も楽しめます。那智の滝と熊野那智大社の紅葉は、神聖な空間で秋の自然美を楽しむことができる貴重な体験です。
- 紅葉の見頃
-
11月上旬〜下旬
- 紅葉する木
-
モミジ、イチョウ等
- アクセス
-
JR紀勢本線「紀伊勝浦駅」
紀伊勝浦駅より熊野御坊南海バス「那智山」まで約30分
↓熊野那智大社を含む熊野古道の旅↓
和歌山の紅葉に関するFAQ
和歌山の紅葉は何月頃見頃ですか?
低所であれば11月中旬~12月上旬が見頃です。
また、高野山や龍神のような標高の高いところであれば10月中旬ごろから色づき始め11月上旬ごろまでが見頃です。
和歌山の人気の紅葉スポットはどこですか?
和歌山県内では高野山が特に人気の紅葉スポットです。
アクセスの良さから、和歌山城も人気スポットの一つです。
熊野古道の紅葉のベストシーズンはいつですか?
熊野古道も場所によって紅葉の時期にばらつきがあります。
もっともバランスよく楽しめるのは11月中旬~下旬頃です。
コメント